糖尿病
- 糖尿病を患っている方は歯に対して注意が必要
- 食事に気を付けても、運動をしても血糖値が下がらない
歯周病は歯周組織の炎症です。慢性的に続く微小炎症が血糖値を上げます。
歯周病を患っている糖尿病患者の人は歯周病の影響で糖尿病が悪化します。
- 1.糖尿病と歯科の関係
- 糖尿病は、インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群、簡単に言えば高血糖が慢性的に続く状態の病気です。
糖尿病の特徴として、ばい菌にかかり易い、治りが悪い、口が渇くなどがあげられますが、虫歯や歯周病は、歯や歯ぐきのばい菌が原因です。そして、口が乾燥するとさらにばい菌がこびりつきます。
糖尿病特有の三大合併症として細小血管障害の糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症
命にかかわる大血管障害として末梢動脈疾患(壊疽)、脳血管障害(脳梗塞・脳出血)、心血管障害(狭心症・心筋梗塞)
そして、近年第6の合併症と言われるのが歯周病になります。
2.歯周病の基本治療で改善した糖尿病の症例
- 2.歯周病の基本治療で改善した糖尿病の症例
- HbA1cが10%台の糖尿病患者が入院後に「毎朝歯ぐきからの出欠で枕が赤く染まる」ことが判明。検査の結果、重度の歯周病であることが判明し歯周病の基本治療が開始されました。入院当初は、インスリンを頻繁に注射しており血糖値の日内変動は200~300mg/dLと高くなっていた。
歯周病の基本治療が完了したころから、血糖値は急速に改善しインスリンの投与量は減少。わずか1カ月でHbA1cは10.5%から7.8%まで改善。
3.歯周病の原因と口腔内細菌
- 3.歯周病の原因と口腔内細菌
- 歯周病の原因は、細菌です。
人は約30兆もの細胞から構成されていますが、約40兆以上の細菌が身体の中に生息しています。細菌の質や種類によって、人の健康だけでなく性格や嗜好などもコントロールされている可能性があると言われています。
口腔内の細菌を放置すると歯周病から糖尿病をはじめ、誤嚥性肺炎や心血管疾患、骨粗鬆症、非アルコール性脂肪性肝炎、関節リウマチ、肥満メタボリックシンドローム、早産や低体重出産といった他の病気にもつながります。
中でも、糖尿病の人は、健康な人に比べて約3倍も歯周病になりやすく、糖尿病患者の約95%に歯周病が存在します。放置することで糖尿病が悪化するのです。
- 4.予防と対策、まずは歯科医院に相談
- 歯科医院は歯を削りに行くところではありません。アドバイスをもらいに行くところです。まずは、気軽におしゃべりに来てください。孫のこと、健康のこと、おいしいお店のこと、吉田歯科では、先生に言いにくいことでもスタッフみんなが話を聞きます。情報収集が一番大切だと考えているからです。
その上で、糖尿病患者の皆さんは、特に歯周病に対する意識をもって頂きたい。日ごろから自分の口の状態をチェックする習慣をつけてください。
ご自宅で歯ブラシの日常メンテナンスを徹底して、医院では歯周病治療を行うことで糖尿病がよくなります。
かかりつけの主治医の先生と、連絡をとり、医科歯科連携しながら、HbA1cの減少に協力しています。八尾市立病院では、医科の先生達と糖尿病教室で公演も行っています。